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(idea 平成27年12月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆自治会長:菅原一夫さん(1期1年目)
◆高成自治会は、50世帯約180人が暮らす川崎町薄衣の集落です。毎年、住民の知恵と協力を集め
た見応えのある花壇づくりを通して住民の絆を深めています。
一関方面から国道284号線を東進し、川崎の中心部を過ぎて間もなく、春から秋にかけて道路左手に見事な花壇が広がる高成集落。今回は花壇づくりを通じて集落のまとまりを高めている高成自治会を訪問し、会長の菅原一夫さんと副会長の上沼清一さんからお話を伺いました。
「この辺一帯は昭和40年代まで養蚕業が盛んでした。気候も温暖なことから蚕を飼うには適していたんだと思います。この地の薄衣(うすぎぬ)という地名もこんなところからきているという説もあります」と会長さん。高成と隣接する矢作(やはぎ)集落とで作る矢作種繭(たなまゆ)生産組合があり、桑の市(桑葉の売り買い)や出荷などの作業を行っていたそうです。かつて桑畑が広がっていた高台の一画には地域の集会所である高成研修センターが建ち、部屋からは集落内が一望できます。
高成自治会は、総務部、教育文化部、社会部、産業部、体育厚生部、女性部の6つの専門部を置き、総務部長は副会長、総務副部長は庶務をそれぞれ兼務しています。また、8つの班に分けており、会長、部長、班長で行う定例会で事業等の進め方を確認しています。「1月の定例会はなしで、それ以外は曜日に関係なく毎月1日の夜と決めています。覚えやすくていいです」と上沼さん。なお、自治会費は月1000円で、この中には、赤い羽根や歳末助け合いなどの募金も含んでおり、自治会で一括して納めています。
高成と言えば花壇づくりと言われるほど、市花いっぱいコンクールでは毎年上位入賞する常連。お二人から話を伺うと、前年の11月から花壇のデザインを考えて図面を引き、植える花を決定し、種を用意する徹底ぶりに驚かされます。4月になると種蒔きをし、6月には住民総出で植え付けをします。ちなみに、今年は13種類約1300本の花苗を植えたそうです。花苗の用意は、副会長の上沼さんがリーダーとなり、女性たちも加わり苗作り作業などを行います。「会員の経験や特技を生かし、現地設計が行われています。昨年からは子ども会も加わって一緒に花苗を植えています。子供たちが加わることで賑やかで楽しいもんです」と上沼さんは目を細めます。
50世帯、約180人が暮らす高成集落。ここは暮らしやすい地域なのか、世帯数はほとんど変わっていないそうです。「先輩方がまとまって部落を盛り上げている姿を子供時分から見てきました。そのことが次の人達にもしてあげたいという気持ちとなり引き継いでいます」と会長さん。歳祝いを兼ねた新年会も古くから続く行事で、集落内の絆をより一層深めるものとなっています。「どこでもそうでしょうが、ここも高齢化してきました。今後は3世代交流を一層進めて、子供から年寄りまで一緒に活動する機会を作っていきたい」と抱負を語る会長さん。来年から花壇づくりには老人クラブ会員も一緒に加われば、より賑やかな活動となることでしょう。