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(idea 平成26年8月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
区長:阿部 敬一 さん (平成23年度~ 2期4年目)
弥栄1民区は、34世帯約120人が住む中山間地域で、西風(ならい)1区・2区の2つの区で構成されています。
弥栄1民区は、川崎町に入る北上大橋の手前、国道284号線の下を通る県道239号線を2.6km程南下した場所にある民区で、北上川から流れる水が民区の田畑を潤す水資源豊かな地域です。
今回は、弥栄1民区で生まれ育ち、自治会と連携しながら住民の安心安全な暮らしを考え続ける阿部敬一区長さんにお話を伺いました。
時を遡ること昭和25年。民区の世帯数が50戸近くあり、若者を中心に地域行事が活発だったこの頃、地区民から集会場の必要性を求める声が高まり、集会場の建設を決定。「できるところは自分達の力で」と、建設に必要な資材は全て住民が家から持ち寄り、区内に住む大工さんを中心に全て住民の力で「西風集会場」を完成させました。
当時4歳だった阿部さんのほか多くの住民が集まり完成を祝福し、その後、集会場の誕生は地域行事をさらに盛り上げ、住民の交流の機会を増やしました。改修工事を重ねながら、今も弥栄1民区の日々の活動を支え続けています。
弥栄1民区は、弥栄にある8民区の中で唯一、民区と自治会が別にある地域です。自治組織である「西風振興会」は、50年程前に地元の議員の後援会を再編成した組織で、地域のためになる活動を行うことを目的に、総務・文教・生活・産業という4つの部会を設置。地域行事のほとんどは西風振興会が主催しています。
中でも特徴的な行事は、文教部で行う「ぼっぽり会」。“ぼっぽり”とは、“突然・急に”という意味で、農作業が一区切りついた時に、地区民の「よし、ぼっぽり会やるか!」の一言で、突然企画される行事です。会を行うも行わないも住民の気持ちしだいという珍しい行事ですが、過去には田植え競争やカラオケ大会、焼き肉交流会等、ユニークで愉快な企画を実施し、年齢関係なく地区民の参加率が高い人気行事の一つです。
生活部が行う年末のしめ縄づくりは、地区民の息を合わせた共同作業で5mものしめ縄2本を1時間弱で製作。完成したしめ縄は、地域の守り神である日吉神社に奉納され、奉納後に行う元旦祭と新年交賀会は住民が年明け一番に行う交流行事です。このほか、さなぶり研修会や親子レク等、年間を通じて住民同士の交流行事を多数行っています。
民区と西風振興会という2つの組織で地域が運営されていますが、「地域の行事は、西風振興会の皆さんが行ってくれるので本当に助かります」と阿部さんは感謝の気持ちを口にしていました。
弥栄1民区は、川が近くを通る平たい地形のため、水害が発生しやすい地域です。大雨が降ると広い主要道路でさえ冠水し、往来が難しくなる事態が発生します。「冠水すると緊急車両が通れず、いざという時に対応できなくなる。過疎地域こそ道路整備が重要です」と阿部さん。昨年は2区・3区と連名で市に要望書を提出し、区民が安心安全に暮らせる地域づくりを目指しています。