※お願い※
記事内の写真や資料は、当情報誌での使用について許可をいただいて掲載しております。
無断での転載などの二次利用はご遠慮ください。
区長 伊藤貞一さん
(idea 平成29年6月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆自治会長:伊藤貞一さん(3期5年目)
◆48世帯134人が暮らす弥栄8区では、平沢分館を集会所として利用し、組織に部会は置かず役員のみ配置。地区全体の運動会では6年連続で応援賞を受賞するなど結束力の高さが自慢です。
真滝駅と門崎駅の間に位置する弥栄8区(以下「8区」)は、面積のほとんどが山林で、東は北上川に面している自然豊かな農村地域です。
「一人の負担を分散するために、できるだけ多くの方に役を割り振るようにしています」と語るのは、8区区長の伊藤貞一さん。取材で拝見した総会資料には、自治会役員をはじめ年間行事や各スポーツ競技の代表責任者、区を飛び越えた弥栄地区全体の団体の代表や委員など57の役職名簿が載っており、誰が何の役をしているか一目でわかるようになっています。自分が直接関わらない団体でも、地域にどんな団体があるのか知ることも地元を学ぶひとつ。名簿に連なる名前の数々を見ていると、これだけ多くの方が地域を支えているということを改めて実感します。
総会には全世帯の3分の2が集まるという8区ですが、民区行事の参加率を上げるためにも、区報は月2回の発行を目指し地域の情報を細めに発信。併せて配布する一関市広報は、自宅に届いた翌朝から地域に配り始められるよう準備し、「今回は1時間遅かったね」と地域の方に言われるほど規則正しいタイミングで配布しています。伊藤さんは「いつも同じタイミングで配れば受け取る方も準備ができるだろうから」と地域の方への心遣いを話します。
8区が力を入れている活動に、「門松作り」「有価資源回収」「花壇整備」があります。
「門松作り」は昭和50年代から続く活動で、毎年高さ約2mもの門松を対で制作。完成した門松は民区の奈良井橋前に飾るほか、過去4年間は被災地支援として陸前高田市竹駒町にある相川仮設住宅と細根沢団地に贈呈しており、設置期間が過ぎた門松は回収して民区のどんと祭へ。最近では、被災地に門松と一緒に野菜も贈り、お返しに手作りの手提げバックをいただくなど親睦が深まっています。
「有価資源回収」は3年前から始めた活動で、年3~4回実施。回収で得たお金は防犯灯設置の財源や区費の補充、年間行事の予算に充てています。「おかげ様で、ほとんどの家から積極的な協力をいただいています。この活動により年々上がる区費の負担を少しでも抑えられれば」と伊藤さん。協力体制が強い8区の強みを活かし、できる範囲の活動で行事の充実や住民の負担軽減を図っています。
「花壇整備」は民区内3か所の花壇を班交代で管理しており、中でもスクールバスの停留所近くにある「なかよしハウス」は、地域の子ども達から名前を募集してつけた名前で皆さんに親しまれています。
また、中山間事業では線路周辺の田んぼに菜の花を植え、収穫した花を大東町の「花菜油の会」に依頼し搾油・瓶詰、列車の絵が入ったオリジナルラベルで製造しています。「見頃の5月連休には、菜の花の黄色と電車の風景を撮りに写真家も訪れます」と話す伊藤さん。地域の絶景スポットとして、これからも地域の手で守り続けてほしい風景です。
地域の取り組みについて伊藤さんは「民区や地区内だけに留めず、外の人も巻き込んでいけるようにしたい。『やってみろ』と言われれば自信ないけど、そうじゃないと活動は広がらないよね。広げるためには地域に参加できる場所をつくり、こちらから呼びかけていくことが少しずつ地域を変えていくんじゃないかな」と今後の運営について語っていただきました。
門松完成の時の記念撮影