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小正月行事まゆ玉ならし(子ども会育成会と老人クラブとの交流)
(idea 2020年10月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
県道282号線東山薄衣線から猊鼻渓に向かう石灰鉱山側の市道沿い、松川の一番端(北側)にあり、長坂地域と接している集落。62世帯、約210人が暮らす。行政区は松川6区で、3班体制で運営。
新一関市が誕生した翌年、集落内で活動している各種団体(納税組合、農家組合、老人クラブ、婦人会、子ども育成会、野平ふれあいの会、地区消防団)と班(3班体制)を集約した形で発足した野平自治会。それまで自治会という組織のない集落でしたが、自治会発足以前(約60年前)から住民の集いの場として「野平公民館」を設け、集落内の各種団体をベースに集落活動は行われていました。
「もともと公民館を中心に人が集い、集落の各種団体の活動が活発だったので、自治会という新たな組織化においては、部会を設ける体制づくりよりも、既存団体の活動に住民一人ひとりが無理のない範囲で協力し合える仕組みづくりを重視した」と発足当時を振り返るのは、自治会長兼区長の小野寺幸雄さん。自治会発足時は事務局長を担っており、当時のことも熟知している貴重な存在です。
現在でも部会等を設けていない同自治会では、三役、事務局、各種団体長と班長による「自治会運営委員会」を2か月に1回(月末の土曜日)開催。自治会事業の役割分担のみならず、各団体事業の連絡調整、情報共有などを行うことで、既存団体の活動を主軸にした集落運営を続けています。
自治会運営委員会を開催した月に発行されるのが、令和2年8月で76号目となる「野平自治会通信」。運営委員会開催月に合わせるため、2か月に1回の発行で、運営委員会からの連絡事項や各種お知らせ(慶弔のほか、最近は感染予防対策の呼びかけなど)、各団体の2か月分の事業報告と計画が盛り込まれます。
また、住民の拠点となっている野平公民館は、毎月1回(第1水曜日もしくは第2水曜日)子どもから高齢者まで自由に過ごすことができる公民館開放日(9時半~17時)を設けており、開放日についても通信でお知らせしています。
さらに、東山中学校の行事予定や保健推進委員による検診のお知らせ、スポーツ推進委員によるスポーツ事業に関するお知らせなども一覧化して掲載されており、会議の報告とともに地域内情報の共有化を意識しているのだとか。
実はこの通信、各班の班長が一人暮らし世帯や高齢者世帯の見守り(防災含め)もかねて毎戸配布することがこだわり。砂鉄川が流れる同集落は、かつては水害が頻繁に発生。昭和30年の築堤や耕地整理によって大きな被害は減ったものの、昨年10月12日に発生した台風19号の際には班長さんの声がけで13世帯の高齢者が避難をしたそうです。こうしたスムーズな防災対応が可能なのは、通信の配布など、班長さんによる日頃の丁寧な取組みの賜物と言えるでしょう。
複数の石灰工場が立地する同集落。「集落内に企業があり、地域資源が利活用されることは大変喜ばしいこと」と認識しつつも、粉塵による様々な影響があったのだとか。そこで始めたのが「粉塵対策会議」。東山支所担当課職員及び一関市役所生活環境課、企業、野平自治会が3か月に1回程度集まり、企業と集落双方にとってより良い環境づくりを目指しています。
そんな同自治会の主な事業は、夏祭り、秋の大運動会、冬の小正月行事。その中でも「野平大運動会」は、来年で記念すべき50回目を迎えます。
現在は一関市東山農村勤労福祉センターの体育館を利用して開催していますが、以前は集落内の「田んぼ」を会場にしていました。現在80歳代の方々が青年層の時代(現在でいう子ども育成会に該当する頃)に「子どもたちの記憶に残るような楽しいイベントをしよう!」ということから始まった田んぼでの運動会。稲刈りが済んだ田んぼを利用しての運動会は子どもから高齢者まで大いに盛り上がったのだとか。
残念ながら今年の運動会は新型コロナウイルス感染症感染拡大予防の観点で中止としたそうですが、「私含め、田んぼで運動会を経験した世代から、『節目の開催年には、田んぼでやりたいね』という声が多くあがりまして。来年の50回記念大会は田んぼで開催する予定です」と小野寺さん。懐かしくも新しい田んぼの運動会、来年開催できることが今から楽しみです。
おのでらゆきお
小野寺幸雄さん
2期4年目。自治会発足後、自治会長と区長を兼務体制にしていることについて「役割分担の必要性」を自治会に提案中。
A.野平大運動会 来年は50年!
あんとうきよこ
安東キヨ子さん
1期3年目。「野平ふれあい会(サロン活動)」の代表であり、令和元年に発足した「野平元気クラブ(百歳体操)」の役員。
A.ふれあいの会 元気をもらう 百歳体操
3班対抗で行う運動会は子どもから高齢者まで楽しめる10種目で開催。午前中で終了し、午後は公民館で楽しい反省会!
稲作の改善(健苗育成)に取り組み、のちに農業改善普及員となり県内農業の振興に大きく貢献した集落の偉人を讃えた碑。
今年は新型コロナウイルスの影響で開催できませんでしたが、例年は帰省客も参加して大いに盛り上がる夏祭りです。
「一人でやるよりもみんなで集まって一緒にやることで継続ができる」と世話人の安東さんは語ります。