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(idea 平成25年8月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
会長 : 千葉 裕(ゆたか) さん(平成25年度新任)
128世帯447人が暮らす一関市狐禅寺の真滝2民区。子供たちの自然体験指導も行っている就任3か月の新人区長の想いをお尋ねしました。
県道一関・大東線が縦断し、地区内に県立磐井病院、南光病院を抱える真滝2民区は、一関中心市街地から北東2㎞、磐井川の下流東側に位置しています。
恒例行事として、文化体育部を中心に毎年8月13日に盆踊りを開催。ビールや焼き鳥、綿あめの屋台を出したり抽選会を行うなどの取り組みをしている真滝2民区ですが、今年度改選期で新区長が誕生しました。千葉裕さん(65歳)です。
地域の自慢を尋ねると「とにかく高齢者が元気なこと」を真っ先に挙げた千葉さん。「早朝の草刈りでも、呼びかければ多くの人が参加してくれるし、自分の家周りにとどまらず自主的に草刈りをしてくれる方がいるのにも頭が下がる。また、狐禅寺地区が市民体育大会で優勝したグラウンドゴルフに熱心な方も多く、それが高齢者の潤滑油になっているようです。本当に元気な人が多い。」
区長就任から3か月、「広報物は班長さんの負担も考えて優先的に処理していますが、仕事の関係で昼間の会議には出席できないこともあります。周囲で自分より10歳も上のような方達が熱意をもって区長を務めているのに比べれば、自分はまだ腰を据えて区長職に取り組めていない部分もあると自覚しています。理想はあっても現実としては難しいことも多く、まさに『言うは易し行うは難し』ですが、気負わず出来るところから取り組んでいきたいと思います。」と決意を語ってくれました。
東山町出身で、引っ越して20年ほどになる千葉さん。現在花泉のNPO法人の理事長も務めており、環境調査活動のほか、学童保育を通じて児童の健全育成に携わっています。また、狐禅寺公民館の事業である寺子屋の「こぎつね学級」では、「小さいころからいろんなものを見たり触ったり臭いをかいだりすることで、様々な局面での対応力が身につく。そんな子供たちに将来の狐禅寺を支える人材になってほしい。」という想いを持って、月1回田植えや鳥・昆虫・植物の観察などの自然体験を、子供たちに指導しています。
そんな千葉さんが、子供たちへの自然体験活動指導をするようになったのも、ひいては行政区長を引き受けることになったのも、あるひとりの先輩との出会いがきっかけだったそうです。
「同じ地域に住んでいたその方は会社の先輩で、ボーイスカウトなどの活動を活発に行っており、学校の週5日制導入の際は、子供たちの受け皿にと狐禅寺公民館と協力して寺子屋創設にも尽力されました。病気の為にまだ50歳過ぎの若さで逝去されたのですが、生前よく『お前たちはな、定年過ぎたらのほほんとしてられねぇんだ。地域で何か還元しなくちゃなんねぇんだ。今から考えておけ。』と語っていました。」故人との思い出をひとつひとつ、しみじみとそう話してくれた千葉さん。「言ってみれば私は、その先輩の門下生のようなものなんですよ。」
一関市の行政区長の数は450人を超えるそうですが、今年度何人の新人区長が誕生したでしょうか。ひとつ言えるのは区長さんの数だけ「区長になるまでのストーリー」や「区長としての想い」がきっとあるということ。そんなことを感じた取材でした。