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集落公民館長 佐藤祐二さん
(idea 平成30年6月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
かつては旅館や映画館、診療所、魚屋などもあり永井地域における商業エリアだった白崖集落(永井第9区)。現在は72世帯約200人が暮らしています。ほとんどの家が3代目程度と、集落としての歴史は古くはないですが、その分、柔軟な集落活動を行っています。
「93歳のおばあちゃんが運営委員※として会議にも出てくるから会議日程も昼間に変えたんだよ」そう苦笑いするのは白崖集落公民館長の佐藤祐二さん。現在、来年3月からの自治会化を目指して検討を行っが自然と行われています。自治会化もその1つ。現状は「行政区(永井第9区)」としての組織と「白崖集落公民館」としての組織が地域内にあり、人口が減少する中で、統合によって役や会計処理の整理・効率化を目指しています。さらにバイパス工事に伴い集落公民館を新築移転しなくてはならない状況でもあり、自治会化と同時進行で新公民館の建設準備も進めています。
※区長、各班選出者、老人代表、婦人代表、青年代表、PTAが運営委員として集落の事業を支えています
そんな白崖集落の一大イベントは「白崖夏祭り盆踊り大会」。一度は途絶えてしまった盆踊り大会を、当時の青年部が復活させ、今年19回目を迎えます。復活させた当時のメンバーやお祭り好きな人が関われるように、実行委員会形式で開催。集落としての補助も出しますが、基本的にはご祝儀等での運営です。
内容も盛りだくさんで、各種アトラクション(スイカ早食い、ラムネ早飲み、ビール早飲み、的あて等)、屋台(ヨーヨー、福引、各種食べ物)、花火大会のほか、子どもたちがペットボトルに絵を描いて作成した「夢灯り」が会場の至る所に設置されます。また、平成26年に約50年ぶりに復活させた「白崖小唄」も盆踊りとして祭りを盛り上げます。
「白崖夏祭りを永井地域全体としての開催にしないかという声も出ているようだが、集落としては現状の規模のまま、あくまでも自分たち主体でできる限り運営していきたい」と佐藤さん。現在、夏祭りの開催は他集落にもポスターを掲示して周知しており、集落外の人も参加できるようになっているため、毎年の参加者は200人にも及びます。集落外からの参加を歓迎しながらも、あえて永井地域全体の取り組みとしての開催にはしないという姿勢に、白崖集落の一大イベントとして、誇りを持って運営していることが伝わってきました。
集落の事業には他にも廃品回収やどんと祭(神社等は関係なく、集落としての開催)、日帰り研修旅行等がありますが、興味深いのが料理教室。集落内に中国からのお嫁さんがおり、歓迎と交流の意味合いで、そのお嫁さんを講師にした中華料理教室を開催したそうなのですが、それが好評で定例化することに。現在は男性の参加者も増えているのだとか。
また、永井地域では「永井地区防災自治会」が設置され、各行政区が部として組織化されていますが、白崖集落ではこの部とは別に独自で「白崖集落自主防災会」を立ち上げています。集落内での有事の際により軽いフットワークで動けるようにとの立ち上げでしたが、毎年の勉強会も欠かしません。今年は新たな試みとして、7月に白崖出身の地学の先生をお呼びし(福島在住)、土砂災害等に関する講話をいただく予定です。
事業は「1つ増やしたら1つ減らす」という心構えで運営しているという白崖集落。決して無理をせず、しかし、必要と感じたものにはしっかりと対応していくという意識が自然と培われているように感じます。早くても3年後という新公民館の建設。拠点のない中での活動は不便と言いながらも、しっかりと現状の活動をこなし続けている同集落の今後にますます期待です。
拠点のない中でのどんと祭
(市民センターのグラウンドを利用)