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(idea 平成27年6月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆区長:小野寺國男 さん(7期13年目)
◆41世帯149名が暮らす萩荘6区。世代間交流と防災に力を入れた地域づくりが盛んで、結婚しても
地域に留まり、人口流出・人口減少がないことが自慢です。
一関市立萩荘小・中学校から西に約2km。萩荘6区に属する下大桑地区は、周辺部を久保川が流れ、主要道路からは山林と水田の美しい里山の風景を眺めることができる長閑な農村地域です。
住民の5人に1人は未成年者と若者が多く、空き家と高齢者の独居世帯数がゼロという萩荘6区。区長である小野寺國男さんは、住民の方が「ここに住み続けたいと思う地域」を目指し地域づくりに努めてきました。今回はその活動で行ってきた3つの世代間交流事業をご紹介します。
一つ目の三世代交流は「七夕会」です。六親会(青年部)主催で行う夏の恒例行事で、会場内外は笹や七夕飾り、紅白幕を装飾し、PТAや子ども会による歌や踊り、ビンゴ大会で盛り上げます。お昼には、さんま焼きやイカポッポ等のお料理のほか「稲作づくり体験事業」で収穫したお米でご飯を炊き、外ではポン菓子やかき氷等5~6種類の出店や流し素麺も実施。
一世帯1,000円の会費で、家族はもちろん親戚まで何人でも参加を歓迎しており、参加者50名中3分の2が子どもという、子どもに人気が高い行事です。
この日は防災訓練も兼ねており、過去に放水訓練、油が原因で起きる火災の対処訓練、消防署職員による講習会等を行いました。
二つ目は「稲作作り体験事業」です。一反五畝の面積の田を借り、種蒔き、田植え、草刈り、収穫までの全工程を参加者が一貫して行う行事で、毎年地区の子どもから大人まで約80名が参加。収穫される100㎏のお米は他の地域行事で出す食事に使うほか、災害時の備えとして60㎏のお米をコミセンに保管。毎回の活動では、13名の炊き出し部隊がお昼におにぎりやおしるこ、秋には芋の子汁など季節に応じたお料理を用意し、災害時の炊き出し訓練も兼ねています。
最後は「さつまいも作付け体験事業」です。2,000本の苗を畑に植え、収穫の時は修紅幼稚園から100名、西光寺保育園、子ども会の児童等、地元からは60名の子どもが集まります。「参加する子どもの数だけタオルや昼食を準備するため1日がかりの行事」と小野寺さん。昼食には、毎年子どもが好きそうなカレーやカツ丼を用意しています。
収穫された100㎏のさつまいもは、収穫した子どもに配布されるほか、一関の産業まつりで安く販売、萩荘小学校の給食にも提供したことがあるそうです。
これら3つの事業で共通して行われる昼食出しは、今から23~24年前に起きた萩荘林野火災で地区住民が避難した際に、農家の方がお米を提供したことがきっかけだといいます。以後、民区の行事がある時は、稲作作り体験事業で取れたお米を使い、おにぎりやお団子、お餅を出すようになりました。
小野寺さんは、区長一年目にコミセンとミニ遊園地の建設、防災無線が届きにくい地域のためコミセンの電柱に4つのスピーカーを設置し毎日有線放送を流すなど、地域の皆さんが暮らしやすくなるためのアイデアを出し、今も取り組み続けています。