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自治会長 皆川哲也さん(写真中央)
(自治会館で開かれる公民館居酒屋の様子)
(idea 平成29年7月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆自治会長:皆川哲也さん(3期6年目)
◆藤沢町の北端にあり、千厩町と接している第31区自治会は、46世帯161人が暮らす中山間地域です。近年、自治会館に人が集い交流できるように様々な事業に取り組んでいます。
藤沢第31区自治会が結成された昭和50年は、藤沢町でも自治会協議会が組織されるなど自治会活動の機運が高まっていた頃でした。
今回お話を伺った自治会長の皆川哲也さんが一度地元を離れ、故郷に帰ってきた昭和58年頃に青年会を結成。この頃、全国的に綱引きブームが起こり、31区でも若手を中心に「サンイチクラブ」を結成し、地元では負けなしの活躍を見せていたそうで、自治会館にはトロフィーがたくさん飾られていました。ブームが落ち着き、チームも少なくなりましたが、今でも南三陸町のチームとは交流があり、31区が事務局となって一緒にチームを組み、昨年は韓国とのスポーツ親善交流に参加するなどの活動を続けています。
平成9年には活発な自治会活動が認められ、岩手県活力あるむらづくりコンクール優秀集落を受賞。平成24年に皆川さんが自治会長に就任し、平成26年には自治会結成40周年記念式典を館が森高原ホテルで開いて皆でお祝いをしました。「この式典は、青年部を結成した時に自治会の皆でお祝いしたことを思い出して企画したんだ」と皆川さんは微笑みながらその時の写真を見せてくれました。
平成27年から、自治会女性部を中心に自治会館を使って「公民館居酒屋」事業を始めました。地域を盛り上げたいという女性の声から始まり、料理教室を兼ねて準備ができたら男性陣も会費を持って自治会館に集まり、一緒に料理やカラオケなどを楽しみます。
31区では以前からお年寄りが外出したり、集まる機会が少ないことが課題となっており、公民館居酒屋の日の昼間はお年寄りが集まる時間「すずらんサロン」にして、手料理を振る舞います。この他にも、最近では女性陣有志によるスコップ三味線芸術団を結成し、自治会外の行事に呼ばれるなど会員発案の活動が活発になっています。「お知らせはするけど参加の強制はしない。気持ちが前に出る活動でないと続かない」と継続のポイントを語る皆川さん。事業と合わせて自治会館のトイレを洋式化するなど、自治会館に人が集まる機会と誰でも利用しやすい工夫も重ねてきました。
皆川さんは地域協働体「藤沢町住民自治協議会」の立ち上げや地域づくり計画の策定時に新沼地区の地域協働推進員として関わった経験を活かし、自治会報や会議資料などによる情報発信にも力を入れています。
自治会報には31区内のことだけでなく、自治会とつながりのある藤沢全体の動きももりこみ、地域の動きを意識してもらえるようにし、総会資料では報告や事業計画を地域づくり計画の分野に対応させた見せ方にしたり、道路補修などの行政からの支援があった際は必ずその事も記載しています。
「小さな活動かもしれないが、やっていることを外部にも内部にも知らせなければ、理解も自信も得られない。地域の力で課題解決に取り組んでほしいという要請も増えてきたが、新しい事を始めなければと思うと混乱を招いたり、やらされ感が出てしまう。今の活動に当てはまるものはないか、発展させることで解決できないか考え、分かりやすく見せてあげることが必要」と発信することの大切さを語る皆川さん。「地域だけでなく仕事や子育てなどもあるが、寄り集まってやることの楽しさも伝えていきたい。そのためにもまずは一人ひとりがやりたいことをやる。庭造りや料理など何でもいいので、好きなことをやる中で隣近所の交流に広げていければいい」とこれからのコミュニティのあり方についても話されていました。
地域の行事で活躍中のスコップ三味線