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今年度の一関市花いっぱいコンクール「市長賞」受賞を記念して撮影した草取り作業後の集合写真。
(idea 2021年11月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
藤沢町のほぼ中央に位置。自治会員は84世帯290人。自治会組織は、会長、副会長、監事、総務部のほかに6部会(生活環境、文教、保健衛生、女性、納税推進、自主防災)、花壇専門委員で構成。行政区は藤沢第3区。
藤沢小学校や市民センター(藤沢文化センター内)など、公共施設が立地する「仁郷」と、県道21号花泉藤沢線沿いの「上町・仲町(ともに通称)」に暮らす住民で構成される第3区自治会。隣接する第1区自治会の一部(西風)が同自治会側に食い込んでいる場所があり、自治会長の千葉孝記さんは「『商店街に入る直前のところだけ1区なんですね!』と驚かれることがよくあります」と笑います。
藤沢町の中心市街地と言える同エリアも、「空き屋・空き店舗が目立ち始めたり、行事の時に人員が足りなかったり、状況が前とは違ってきている」のだとか。実際、同自治会の自治会館「いっぷく茶屋」も空き店舗を活用しています。
「いっぷく茶屋」の入り口には土器の作品が展示されていますが、これらは昭和51年から開催されている「縄文の炎藤沢野焼祭」で野焼きした土器で、同自治会では祭りが近くなる7月上旬から、毎晩のように自治会館に住民が集まり、作品を作ります。
自治会報にて参加者を募り、当初は班ごとに制作していましたが、参加者の減少により、平成29年からは自治会として1~2点の作品を作るように。その代わり、班ごとでは難しい「大きな作品」に挑戦するようになりました。
副会長の皆川生子さんは「作品は形成してから焼くまでに1か月かけて乾燥しますが、その間に壊れることも多々あり、『壊れては作る』の繰り返しですね」と、その苦労を語りつつ「苦労の末に出来上がった作品が、平泉町の某ホテルから『この作品うちで飾りたいです!』と声をかけられ、譲り渡したこともある」という嬉しい出来事も振り返ります。
「私たちの花壇はすごいですよ」と語るのは、花壇の「専門委員」である佐藤四郎さんです。職業柄、肥料に詳しく園芸も得意だった佐藤さんは、長年同自治会花壇の土壌改良・整備に携わってきました。そこで同自治会では平成30年に専門委員の委嘱を開始。佐藤さんは唯一の花壇専門委員として同花壇のレイアウト設計や、土壌・成育の管理を担当しています。
藤沢小学校の入口を彩る同花壇は、市の花いっぱいコンクールで5年連続「最優秀賞(藤沢地域の部)」を、今年度は「市長賞」を受賞。「以前は目立たないところに花壇があり、現在の位置に設置したのですが、土質が悪くてね。土壌改良のために砂や堆肥、化成肥料などで模索しながら土を良くしました。藤沢小学校の卒業アルバムにもこの花壇の写真が載るので、気を引き締めて管理しています」と、佐藤さんは長年の苦労を滲ませます。
そんな佐藤さんの熱意やリーダーシップもあり、花壇の定植作業には、土日の朝6時~7時の開催にも関わらず、市営住宅等に入居している子育て世代の若い方も多数参加。交流の場にもなっています。
そのほか、総務部では毎年2月頃に「交通・防犯座談会」を開催。防犯協会や駐在所と連携して交通安全、詐欺などの犯罪について学ぶ場を設け、地域の安心につなげています。
同行政区内には「一五会」「仲町お茶会」というお茶会サロンがありましたが、平成25年頃からは高齢の方でも参加しやすいよう、上町、仲町、仁郷(休止中)の3か所で、それぞれが月1回、サロンを開いています。平成27年頃からは自治会事業としても年に数回、3サロンが集い様々な企画を楽しむ「合同お茶会」をスタート。「デイサービスもいいが、近所で寄り合えることが何よりです」と、多くの参加者が毎回のお茶会を心待ちにしています。
千葉さんは「役員をやっていると、自治会員の方との面識が増え、顔を覚えてもらえるのが嬉しいですね。近隣に住んでいても顔が分からない人が多い昨今ですから」と、自治会長という職の魅力を語ります。ちなみに同自治会では行政区長が自治会副会長を兼務。「側溝に砂が溜まっているなど、集落の中で気が付いたことはまず区長さんに相談する」と、自治会組織内での役割分担もできています。
少子高齢化に加え、コロナ禍で主要事業の取り組み方法を工夫・見直さざるを得ない状況が続いていますが、「今できる事をやろうと思います。毎月のサロンを楽しくしたり、隣近所で優しく声をかけ合ったり、助け合いながら自分たちで楽しみを見つけたいですね」と、前向きに今後への希望を掲げています。
ちば こうき
千葉 孝紀さん
3期7年目。20歳の頃に藤沢町体育協会の「スポーツ推進員」を経験し、以来50年に渡り、様々な役職で地域の営みを支え続けています。
A.みんなのつながり
さとうしろう
佐藤 四郎さん
2期4年目。長年地域の役を歴任し、現在は「藤沢町火盗難防止会」の会長を務める傍ら、花壇専門委員として同自治会花壇の管理に力を入れています。
A.何事も一生懸命
商工会議所の空き家店舗活用事業にて、平成21年に寄り合いスペースとして開設。平成24年度から同自治会管理になりました。
「人が集まる機会を創ればみんなまとまる」と、交流の場を大切にしています(令和3年度は中止。写真は平成17年の様子)。
今年度の一関市花いっぱいコンクールにて「市長賞」を受賞。1110本の花苗が植えられ、圧巻の美しさです。
「合同お茶会」には約20人が参加し、懇談のほかにレクリエーション等の企画を用意。年に数回の楽しみとなっています。