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自治会長 和田一雄さん
(idea 平成28年11月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆自治会長:和田一雄さん
◆70世帯186人が暮らす第8区自治会では、人口減少が進む中でも一人ひとりの負担を少なく、参加しやすい自治会運営により楽しく集い交流できる場を大切にしています。
藤沢町のほぼ中央に位置する第8区自治会は、豊かな自然を活かした国営農地開発事業なども行われている農業条件に恵まれた中山間地域です。今回は、自治会長の和田一雄(いちお)さんと産業部長の小野勝實(かつみ)さんにお話を伺いました。
取材の初めに自治会活動の資料を見せていただき、まず目に留まったのは組織の執行体制と電話番号表です。各専門部に関わる人や団体、連絡先が一目でわかるようになっていました。「昔からの伝統で、班ごとに整理した電話番号表も会員の総意によって作られているので、行事の際などの連絡調整もしやすく重宝していますね。また、1つの班の世帯数を最大でも5世帯までにすることで、班長の負担を減らせています」と話す和田さん。小さいまとまりの中で回すことで、隣近所の把握やコミュニケーションもしやすいそうです。
同自治会が10年以上、大切に続けている活動に「ダルマサロン」があります。5月と8月を除き、毎月第2木曜日に地域のお年寄りが自治会館に集まり、体操やお世話役の方々の手料理を楽しんでいます。
昔、同自治会南側の木ノ中部落には藤沢町内でも有名だった演芸会があり、町内の芸達者な人たちが集まって芸を披露していました。今は演芸会は開かれていませんが、その時の賑わいや楽しかった思い出を残そうと、当時ステージ幕に描かれていたダルマの絵からサロンの名前を「ダルマサロン」にしました。自治会外からも楽器の演奏が得意な人などをゲストに呼んだりして毎月たくさんの人が集まります。サロン運営の工夫について和田さんは「女性部を中心に行いますが、役員が必ず実行部隊になるのではなく、地域の中で動ける人・やりたい人に女性部からサロン運営を委託するような形にして、役員になることで何もかも任されるのではという不安を解消しています。やりたい人が集まるので、料理の材料なども持ち寄って、お世話役の皆さんも楽しんで活動できているようです」と語ります。
交流や組織運営を動きやすいようにしているおかげで花壇づくりやリサイクル活動などの環境整備にも一丸となって取り組むことができ、花壇は県や町から数多くの賞を受賞しています。「地域の皆が積極的に参加してくれる姿を見ると自治会があってよかったと感じるね」と笑顔で活動記録を読み返す小野さん。和田さんも「夏祭りにも地域から出た人が子どもを連れて参加して賑わっています。先に立つ人の苦労を心配する声もあるが、参加があるということはニーズがあるということ。住民が楽しめる活動は大切にしていきたいです。8区は黄海川と並行に走る県道に分断されるので、昔は北と南に集会所が分かれてコミュニケーションが難しい時期がありましたが、人口減少を見据えて自治会館を一本化してまとまりました。今後を考えると、1つの自治会だけでなく、西口地区(6・7・8区)としての取り組みも必要になってくるだろうし、環境を活かして産業に結びついたものになっていければと思います」と今後の展望を語っていただきました。
ダルマサロンの様子