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今年の研修旅行の写真
右端 自治会長 小山健一さん
(idea 平成30年12月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆自治会長:小山健一さん(1期1年目)
◆藤沢町の中心部から南方に位置し、72世帯が暮らす第10区自治会。かつては葉たばこの栽培が盛んに行われていました。
今年度から自治会長になった小山健一さん。「自治会長としては新人ですよ」と話されますが、長年総務として自治会の運営から自治会報の発行まで自治会活動を支えてきたベテランです。
総務時代には、平成23年に自治会の「35周年記念誌」の編集を担当。地域の歴史をまとめるだけでなく、地域の風景や各世帯の家族写真を集め、見て楽しい紙面づくりをしたり、これまで自治会活動の中心となってきた人達へのインタビュー記事をまとめるなど、10区の歴史を次の世代へ伝えるため尽力しました。
取材中、小山さんは記念誌をゆっくりとめくりながら、先代の方々のインタビュー記事の中から「祭りのない所に発展なし」という言葉を紹介してくれました。そして「何かをあてがわれて活動する時代は過ぎたと思う」と話す小山さんに、これまでの自治会活動を振り返りながら、最近の活動と今後の地域づくりについてお話を伺いました。
これまで10区では、新年会での「男の料理教室」など、多世代で参加できる活動を続けてきました。平成21年に始めた「10区のまつり『てど』」は、地域の皆の「てど(手わざ)」を持ち寄ろうと、家庭で育てた野菜の販売やつり同好会による鮎のおふるまい、お年寄りが子どもに竹細工を教えたり、中学生が司会をしたり、みんなの交流の場として開催。3年後には同地区の9区、11区と合同による「本郷のまつり『てど』」に広がり、平成25年まで続きました。
「てど」を一旦休止しリニューアルを検討する中、昨年は同級生とアイデアを出し合い、毎年1月に開かれる藤沢町子ども郷土芸能発表会で本郷神楽を発表する子ども達やお世話人への労いとして、同級生とアイデアを出し合って本郷地区自治会協議会でピザ窯をつくり、手作りピザをふるまいました。
地域と子どもの交わりをつくるために始めたピザづくりでしたが、最近では藤沢町内の行事からも声がかかるようになったそうで、今年の「縄文の炎・藤沢野焼祭」では、ピザの出店のため小山さんの呼びかけで「本郷ピザ同好会」を発足。地元企業からの資材提供なども受け、本郷地区に限らず若者も参加してくれて、祭りを盛り上げました。「来年はピザの材料を持ち寄ってトッピングコンテストとかみんなで楽しめる企画をしたい」と今後の展望も今から考えているそうです。
「てど」や「ピザ作り」など、小山さんが10区内にこだわらず、他の自治会や地区との連携に積極的なことの背景には地域の人口減少があります。
「単独自治会での活動には限界がきている。自治会や行政区を超えた地区単位での地域づくりへシフトする時期に入っているが、隣の自治会が何をやっているのかさえ意外とわからない。今後はお互いの活動や運営の工夫などを情報交換できる場も必要」と現在の自治会運営の課題を指摘する小山さん。続けて、「祭りの成功が目的ではないんだよね。誰でも参加できる活動を通して交流の機会を設けて顔の見える関係をつくりたい。それにより、災害時などいざという時にコミュニケーションを取れるようになるはず。体と頭が動くうちに次の世代へ財産をつくっておきたい」と地域のリーダーとして事業を行う視点を話されていました。
子ども達に喜ばれた手作りのピザ窯