開 催 日:平成30年10月24日(水)10:00~12:00
開催団体:「国土交通省一関防災センター・北上川学習交流館あいぽーと」
会 場:あいぽーと
参 加 者:村上和子 かやぶき民家を守る会
神崎浩之 両磐地域まちづくり探検隊
千葉徹 NPO法人ティラファーム
小野寺浩樹 いちのせき市民活動センター
佐藤大輔 いちのせき市民活動センター
鈴木純香 いちのせき市民活動センター
畠山信禎 いちのせき市民活動センター
インアーチでは、平成27年度に一関市市民活動団体防災ボランティア活動推進指針を策定。その後、災害時にスムーズな連携ができるように普段からの顔が見える関係づくりのためインアーチ参観日を、また、災害時に役立つ知識や技術を学ぶ機会として防災勉強会を開催してきました。
今回の防災勉強会では、北上川学習交流館あいぽーとを訪問し、国交省岩手河川国道事務所と、あいぽーとの齋藤事務局長にご協力を頂き、貴重な記録映像の視聴や、災害時の防災活動拠点としてのあいぽーとの機能などの紹介を通じ、特に川や水に関する防災について学びました。
※今回、たまたま「厳美四区元気いきいき教室」のみなさんと同じ時間帯での見学になったため、途中まで一緒に視聴や見学を行いました。厳美の皆さんも熱心に見学されていました。
1.ニュース映像視聴
一関を襲った昭和22年のカスリン、昭和23年のアイオン両台風に関する当時の貴重なニュース映像を視聴しました。話に聞いたことはあっても実際の様子は見たことがないという参加者も多く、当時の状況が大変なものであったことが改めて感じられました。
映像では、カスリン台風の被害で堤防が決壊した後、早期復旧を求める市民の集会が行われていたこと、にもかかわらず復旧工事が行われず、結果として翌年のアイオン台風で再び甚大な被害がもたらされたという話がありました。
視聴後、齋藤さんから「復旧には先人たちの大変な苦労があった。カスリン・アイオンは70年前の話だが、今でも全国各地で洪水被害が起きていることを考えれば、洪水は決して過去のものではない」というお話がありました。
2.館内見学(展望室・一関遊水池集中管理センター災害対策室)
・続いて展望室に移動。先日開催されたバルーンフェスティバルの際はビューポイントとしてお客様が集まったそうです。
展望室からはユードームや遊水池の眺めを楽しめます。ちなみに一関の遊水池はおよそ1450haで、これは遊水池として全国で3番目の広さなんだとか。ただ、この広さで田んぼを作っているのはここだけで、北海道などから視察が来たりもするそうです。
また、展望室から見える東北新幹線の鉄道橋は3868mで、海にかかっていないものとしては日本一の長さを誇ります(1位はアクアライン、2位は明石大橋)。
続いて集中管理センターに移動。ここは洪水時に各種情報を一元管理する防災拠点となります。国土交通大臣が来てここから指揮をしたこともあるのだとか。
正面にはたくさんのモニターが並んでいて、市内の100か所の水門に設置されたカメラで逐一情報を収集する事が可能になっています。このカメラは、リモコンで方位角(水平方向360度)と仰俯角(水平から上下方向90度)、さらにズームを制御できる機能を備えた優れもの。川でいたずらしようものならカメラですぐわかっちゃうのでくれぐれも悪いことを考えるはやめておきましょう。
私たちは学習室へ戻り厳美の皆さんは展示室の見学ということで、厳美の皆さんとはここまで。せっかくだからということで記念撮影をパチリ。短い間でしたがご一緒させていただきありがとうございました。
3.紙芝居「生きる」映像視聴
再び学習室に戻り、今度は紙芝居を朗読した様子を収めた動画「生きる」を視聴。
この映像はアイオン台風で被害に遭い、一関から30㎞以上流された千葉貞子さんの体験談をもとに作られた紙芝居を、千葉貞子さん本人の語りで映像化したものです。紙芝居自体はあいぽーとの展示室に飾られています。
ネタバレになるので本編の内容にはあえて触れませんが、千葉さんはこの紙芝居映像を通して、「命の大切さ」「人と人との出会いの大切さ」「人間頑張れば何事でも成し遂げられる」という3つのことを学んだと語っています。
なお、このDVDは貸出可能だそうです。あいぽーとで視聴するもよし、借りてみるもよし。ぜひ、団体や地域の皆さんで見ていただきたいと思います。
4.展示室見学
最後に展示室で、展示しているパネルや模型などについて齋藤さんの解説を聞きながら見学しました。
あいぽーとには実に様々な展示がしてあり、パネル展示の内容も定期的に入れ替えています。今回は過去の洪水の写真や降雨量のデータなどの展示が多く、参加者も齋藤さんの説明に質問を挟みながら熱心に聞き入っていました。
齋藤さんは「近年の雨の降り方(短時間に記録的な豪雨など)はこれまでの考え方が通用しないようなものになっていて、日本全国どこも安全という場所はない。今後は道路を計画する際も側溝の幅などの基準を見直す必要もあるかもしれない。」「大雨の時は車でも新幹線でも外出は控える事」「地域でどこが危険個所かを把握する事。そのために自主防災組織も作られてきている。自分の身は自分で守るという意識も必要になってくるし、防災対策には地域の理解も必要」と、防災の考え方を示しながら、「あいぽーとの役割としてそういうことを地域の人や子供たちにも伝えていきたい」と締めくくりました。
千歳橋の変遷や昔のイメージの模型も興味深かったですし、何も知らずにただ展示を眺めるのと比べ、齋藤さんの解説を聞きながら見て歩くことで新たな発見を感じられた気がします。
最後に「ヨシ舟」で記念撮影をして終了となりました。
■齋藤さんをはじめ、開催にご協力いただいたあいぽーとの関係者の皆様、忙しい中参加いただきました参加者の皆様、ありがとうございました。今回の貴重な経験をぜひ日常に活かしていただければと思います。
<協力先情報>
国土交通省一関防災センター・北上川学習交流館あいぽーと
〒029-0131 一関市狐禅寺字石ノ瀬155-81
電話 : 0191-26-0077
FAX : 0191-26-0078
メール:iport@mountain.ocn.ne.jp
※DVDの貸し出しなどのお問い合わせも上記まで。